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2008年08月06日

●夏の幻影。

松商学園は初戦突破ならず 全国高校野球第4日
http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_82968

松商学園は二回二死三塁から丸山の左前打で先制したが、その裏に右腕林が慶応打線につかまり4失点。三、四回にもそれぞれ1点ずつを失った。四回途中で救援した右腕伊東が好投。五回に奥野の中犠飛で1点を返し、九回には小原の左犠飛などで2点を返したが、2000年以来の初戦突破はならなかった。

やる前から緒戦突破を目標にしてる高校は大抵そこら付近で止まるよな。かといって無様に高望むのもアレだしバランスが難しいところなんだろうけど本当に緒戦突破を目標にするならもうちょっと先を見るべきなんじゃないのかな、と思うわけ。優勝なんておこがましいけど、三回戦まで行き着くつもりで頑張れば緒戦くらいなら突破できるんじゃないのかなあと。


まあでも、地域のレベルもとても高いと言えない長野県を勝ち抜いて、なおかつ全国からやってくる相手との力関係もわからない状況では皮算用になるのがオチか。




ところで、中日ドラゴンズの一軍半選手で、上田佳範ってのがいる。1991年の選抜高校野球、彼を擁した松商学園は緒戦で鈴木一朗擁する愛工大明電に勝利し緒戦を突破したのだった。この頃は鈴木一朗氏もさすがに今ほど有名では無かったので、愛工大明電という野球の名門校に、絶対負けると思っていた松商学園が勝った、ってことだけでもニュースだったのだが、ハイライトは試合後に控えていたのだった。


当時も今も長野県代表というのはとにかくくじ運が悪くて、その時点で二回戦の相手が天理高校だということが決まっていた。谷口という好投手を擁し、これまた有無を言わさない名門校で試合直後から下馬評は天理有利って空気が蔓延していたのか、インタビュアーも「天理に挑むことになるが」といった感じの質問を投げかけたのだった。ブラウン管のこっち側にいた俺もなんの疑問もなくその言葉を飲んだのだが、監督は毅然とした態度で言い切ったのだった。すみません。気持ちが盛り上がってきたので、ここは太字、四倍角で書かせていただきたい。






「天理の胸を借りるつもりは毛頭ありません。」






その言葉を聞いた俺は鳥肌が立ち感動に打ち震えた。




・・・というのはまったくの嘘で、「このおっさん、なにとち狂ったこと言ってんだ?」とむしろ恥ずかしさに覆われたわけだが、その自信は天理相手に2-0の勝利という形で証明され、それどころかその後も大阪桐蔭に完封勝ち、国士舘にも完封勝ち、戦前の評価が低かった反動か甲子園特集では「松商旋風」と書かれるわ、「出ると負け」が当たり前だった俺らにとってそれはあまりにも痛快な出来事だったのだ。


まあ俺が痛快だったかどうかは置いといて、17年前の愛工大明電戦の後の監督の一言は、チームのポテンシャルに対する絶対的な自信から来る言葉であり、このチームが出来たときからそれなりの位置を見据えていたんだなあ、と思う。言い換えると監督として選手を「そこ」に導くための指導、練習を重ねていたのではないだろうか。導けなかったら自分の責任なわけで、それはそれでもの凄いプレッシャーだったかもしれないけど。


そんなわけで俺は未だに17年前の「上田がいた松商」の幻影を追っている。そしてそれは俺だけでなく、多くの長野県人も同じことを感じているのではないかと思う。




それだけに「緒戦突破」という目標を聞くと、妥当な感じと一緒に寂しさを感じてしまうのです。




Posted by copoo at 19:50 | Trackbacks [0]