2005年03月21日
●アメリカとポトフ。
結局ギャラ渋られて、それじゃあ3人稚内から帰れねえって話になって貰うはずだった蟹返してその分金もらって在来線乗り継いでようやく東京まで帰ってきて、で、渋谷で飲んだ。3人で。
ノースアイランド師匠が「反省会やろう」って言い出したからだった。俺は一刻も早く帰りたかったがブリッジ師匠も乗り気だったので付き合うことにした。さすがの二人も稚内営業は失敗したと思っているのかもしれないと思っていたのだが・・・。
「売れねえのは何故か」という話になった。切り出したのはノースアイランド師匠だった。
「なんで売れねえんだろうな、兄貴。」 兄貴とはブリッジのことだ。
「インパクトがねえよ。」 ある意味インパクトはあると思うが。
「インパクトってなんだ?」
「ウリだよ、ウリ。売っていくための武器がねえってことだろ。」 わかってんじゃねえか。
「俺らを冷静に分析した場合、歌だって馬鹿みたく上手いわけでもねえ。曲だってそうだろ?」
「そんなことねえよ。俺達良い歌歌ってるよ。」 吾作が、か?
「おめえは本当に馬鹿だな。時代にあった歌を歌わなきゃいけねえってことだ。俺だって良い曲書いてるって自負はあるぜ。ただ、時代が追いついてねえ。」 時代のせいになった。
「時代かあ。」 違うって。
「しかし時代が追いつくのを待ってる場合じゃねえのよ。こっちから擦り寄っていかねえとな。」 擦り寄るのか。
「どうすんのさ、兄貴。」
「インパクトのあることをやればいい。とりあえず俺とお前でコンビを組む。コンビ組んで営業回るんだ。」
「いつも一緒に回ってんじゃん」 ごもっともな意見。
「コンビ名を考えるんだよ。インパクトのある奴を。」 歌手の発想じゃねえな。
「なるほど。」 納得すんな。
「これからの時代、日本の中だけでやってく時代じゃねえ。世界だよ。インターナショナルなわけよ。世界と言えば、アメリカよ。数年後には演歌が世界を救うのよ。これくらいの意気込みが無けりゃ駄目なのよ。」
「さすがあ。」 流石、じゃない。
「そこで、コンビ名だが、アメリカ兄弟ってのはどうだかな。」 嫌だよ。
「いいねえ!」 いいのかよ。
「でもさあ、この前稚内に行ったじゃん。そうすっとソ連が近いよね。」 ソ連、ですか。
「おうっ、二大大国だな。」 なんか話が変な方向に広がってきたな。
「ソ連にちなんで何か無いかな。」
「ソ連かあ。」 今はロシアですけどね。
「ソ連の有名な食べ物でポトフってあるよね。」
「ポトフ大統領!」
「兄貴、流石!!!」
ふざけんな!
「おう、クソ松。アメリカとポトフ、どっちがいい?」
そうそう。
稚内に行くあたりから俺は「クソ松」と呼ばれている。
こんな奴らから「クソ松」と呼ばれているのだ。
で、俺が「ポトフ」と言ったせいで、二人のコンビ名は「アメリカ兄弟」に落ち着いた。
だったら聞くんじゃねえよ。
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